病児保育を使う?使わない?
― 子育て世帯あるあるの“見えない派閥”について ―
子どもって、ほんっっとうに急に熱を出しませんか?
5分前まで元気に走り回っていたのに、気づいたら38.9℃。
「さっきまで普通だったやん!!」ってツッコミたくなる、あの現象。
そして発熱すると、平熱に戻るまで休み、感染症なら何日も仕事を休まざるを得ない…。
そんなときに心強い存在が 病児保育。
大きめの病院では併設されていることも多く、医師や看護師さんがついてくれて、必要なら服薬や診察まで対応してくれる。
その間、親は安心して職場へ行けるわけです。
めちゃくちゃ助かる制度!!
…のはずが。
実はその病児保育をめぐって
「利用する派」VS「利用しない派」
という、なんとも言えない派閥争いが存在するらしいのです。
きっかけは、とある一言。
「今日、子どもが熱で休みます」
→「え?ここ、病児保育あるのに…なんで使わないの?」
はい、これです。
確かに誰かが休むと仕事は誰かがフォローすることになる。
だから「使える制度を使わないなんて…」という不満の声が出るのはある意味わかる。
でも、使わない側にしてみれば
「子どもがしんどい時くらい、そばにいたい」
という親心がある。
この“気持ちのズレ”が、見えない空気の悪循環を生み出しているんですね。
夫に話してみた
この話を夫にすると、即答。
「いや、制度を使わない人が悪くない?」
バッサリ(笑)
理由としては
- 病院側は“子どもが病気でも働けるように”制度を作ってくれている
- それを自分の意思で使わないなら、周囲が不満に思うのは当然
- 子に寄り添いたい気持ちを優先するなら、その不満は受け止める覚悟が必要
とのこと。
なるほど…筋は通っている。
老人ホームの人事さんに話してみた
対して、その話を老人ホームの人事担当者にすると…
「いやいや、ご主人それは違う。
制度を使うかどうかは本人の自由。
不満の声が利用者側に届くこと自体がおかしい。
派閥が生まれてる時点で、管理職のマネジメント不足!」
とのこと。
これもまた正論。
ベテラン看護師(13年目)に話してみると
最後に、看護師13年の先輩に聞いたところ…
「人手が少ないから不満が出るんやぁぁぁぁぁ!!!
人事ぃぃぃぃ!!!!!」
と、別方向からの豪快な正論。さすが現場の声は力強い。
どの意見も全部“正しい”
こうしていろんな立場の人に話して感じたこと。
どの視点もそれぞれ正しい。
病児保育を使うのも、使わないのも、
親の気持ち・働き方・家庭の事情によってベストは変わる。
制度を整える側、利用する側、フォローする側。
それぞれに「正義」があるからこそ難しい。
たぶん大事なのは、
「どちらが正しいか」ではなく
お互いの事情を理解して、モヤモヤを直接ぶつけずに済む仕組み作りや人間関係の構築だったりするのかもしれませんね。
病児保育、便利だけど、便利だからこそ生まれる新たな悩みもある――
そんなお話でした。